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本人訴訟

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ファスト映画裁判の予想判決文「Bパターン」

※以下は、私がイメージする判決文の「Bパターン」の一部抜粋です。以下の予想判決文は「平成22年(ワ)第27449号 著作権侵害差止等請求事件」の判決文を参考にさせて頂きました。

主 文

1 原告らの請求をいずれも棄却する。

2 訴訟費用は,原告らの負担とする。

事 実 及 び 理 由

第1 請求の趣旨

省略

第2 事案の概要

省略

第3 争点に関する当事者の主張

1 争点(1)(原告らの請求が権利濫用に当たるか)について

〔被告の主張〕

(1)本件各投稿は,いずれもYouTubeが運用するコンテンツIDというシステムにより,米国の大手映画会社のコントロール下にある。米国の大手映画会社は,本件各投稿をパソコンからの簡単な操作によりブロックすることもマネタイズすることも容易にできる。映画の著作権は,基本的にすべて米国の大手映画会社のような配給会社にあるのが業界の慣例である。

(2)「本件において,権利者等からの被告人への警告,社会一般のファイル共有ソフト提供者に対する表立った警鐘もない段階で,法執行機関が捜査に着手し,告訴を得て強制捜査に臨み,著作権侵害をまん延させる目的での提供という前提での起訴に当たったことは,いささかこの点への配慮に欠け,性急に過ぎたとの感を否めない。」という最高裁の判例(最高裁平成23年12月19日・平成21(あ)1900)が示す通り,新しい表現形態やサービスが生まれた場合,権利者は,被告への警告や社会一般に対する表立った警鐘を行うべきである。

(3)以上のことを鑑みれば,原告らの本件権利行使は,権利濫用(民法1条3項)として効力を否定されるべきである。

2 争点(2)(著作権法32条1項適用の可否)について

〔被告の主張〕

(1)本件各投稿は,いずれも,公表された原告著作物を引用したものである。

(2)その引用は,YouTubeの規約やコンテンツID等の公正な慣行に合致するものであり,本件各投稿を作成する際に,映画の静止画を利用することは,その方法ないし態様としてみても,社会通念上,合理的な範囲内にとどまるものということができる。また,コンテンツIDによる運用は,著作権者の許諾を得ないことが通常とされており,これは複数の管理画面の内容,複数のメールの内容(乙○)からも明らかである。

(3)本件各投稿において,映画の静止画を利用したのは,各シーンと,被告による,新しい情報,新しい美学,新しい洞察,新しい理解を紐づけるためであり,その利用の目的は米国の著作権法に由来する変容目的使用に依拠している。さらに,慶応義塾大学の田中辰雄教授が行った調査により,映画の売上げを増やす効果が確認されており,静止画使用の目的の正当性を補強している。

(4)その目的のために利用する静止画の著作物全体に対する割合は0.03%程度であり,正当な範囲内である。その量は,各シーンと新しい洞察等を紐づけるのに最低限必要な量である。0.03%の根拠は,2時間の映画を構成してる約20万枚の静止画に対する,本件各投稿を構成してる約100枚の静止画の割合である0.05%に,映画の音楽や役者のセリフやナレーションなどを全く使用してない分を考慮したものである。

(5)以上により,本件行為は,著作権法32条1項の「引用」に該当するので,本件各投稿により原告の著作権が侵害されたということはできない。

3 争点(3)(本件行為につきフェア・ユースの法理に基づき違法性が阻却されるか)について

〔被告の主張〕

(1)フェア・ユースの法理については,我が国の著作権法には同法理を定めた規定はなく,米国における同法理を我が国において直接適用すべき必然性も認められないから,同法理を適用することはできないとの議論がある。しかしながら,著作物を取り巻く急激な環境の変化に適切・迅速に対応し,利用の円滑化を図るためには,立法による解決を待つだけでは足りず,裁判所による積極的な司法判断が期待されるところであり,また,我が国の著作権法においても,その個別の権利制限規定としてフェア・ユースの法理は既に内在しているのであるから,我が国の現行著作権法に,一般的な権利制限規定としてフェア・ユースの法理を定めた規定がないことは,同法理を適用できないことの理由にはならない。また,本件行為について複製権侵害を認めてしまえば,不当な結果が招来されることは明らかであり,本件のような場面でこそ,フェア・ユースの法理が適用される必要がある。

(2)ところで,著作権法は,その目的において,「この法律は,著作物並びに実演,レコード,放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め,これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ,著作者等の権利の保護を図り,もって文化の発展に寄与することを目的とする」(著作権法1条)と定めるとおり,著作者の権利を保護する一方で,著作物の社会的,公共的な性格に鑑み,一定の場合に同法30条以下の権利制限規定で著作者の権利を制限している。この観点からいえば,本件行為は,形式的にも原告らの複製権を侵害するものではないが,仮に形式的に権利を侵害しているとしても,実際には権利者の権利を不当に侵害するものではない。にもかかわらず,そのような行為に杓子定規に著作権法を適用し,安易に著作権侵害を認定してしまえば,我が国の新しい時代の文化の発展の足かせとなることは明らかである。

(3)以上のとおり,本件行為については,フェア・ユースの法理を適用し,著作権侵害を否定すべきである。

4 争点(4)(損害発生の有無及びその額)について

〔被告の主張〕

否認ないし争う。

第4 当裁判所の判断

1 証拠(甲1ないし26,乙1ないし20,調査嘱託の結果)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められ,同認定を覆すに足りる的確な証拠はない。

(1)省略

(2)省略

(3)省略

2 争点(2)(著作権法32条1項適用の可否)について

事案に鑑み,争点(2)につき判断する。

(1)著作権法は,公表された著作物は,公正な慣行に合致し,報道,批評,研究その他の引用の目的上正当な範囲内で引用して利用することができると規定されているところ(同法32条1項),他人の著作物を引用して利用することが許されるためには,引用して利用する方法や態様が公正な慣行に合致したものであり,かつ,引用の目的との関係で正当な範囲内,すなわち,社会通念に照らして合理的な範囲内のものであることが必要であるから,「引用」に当たるか否かの判断においては,他人の著作物を利用する側の利用の目的のほか,その方法や態様,利用される著作物の種類や性質,当該著作物の著作権者に及ぼす影響の有無・程度などを総合考慮すべきである。

そして,旧著作権法(明治32年法律第39号)とは異なり,現行著作権法32条1項における「引用」として適法とされるためには,利用者が自己の著作物中で他人の著作物を利用した場合であることは要件ではないと解すべきである。

(2)上記観点から,本件行為につき,著作権法32条1項所定の「引用」としての利用として許されるか否かについて検討する。

前記認定のとおり,本件各投稿を作成するに当たり,映画の静止画を利用することについて,被告は,静止画の利用は,変容目的利用であり,映画の各シーンと被告の新しい考察等を紐づけるために利用されるものであることから,考察の対象となったシーンを,多数のシーンの中から特定する目的で行っていると認められること,そして,その目的達成のためには,対象シーンを構成する静止画数枚を利用することが最も確実であることから,これを利用する必要性,有用性が認められること,著作物に対して新しい考察等を加えることは,著作物の価値を高め,映画本編の視聴意欲を喚起し,映画の売上げの増加にもつながるものであることなどを併せ考慮すると,対象シーンと新しい考察等を紐づけるために当該著作物を利用することは,著作権法の規定する引用の目的に含まれるというべきである。

そして,本件行為は,ユーチューブのコンテンツIDにより著作権者のコントロール下に置かれており厳格に管理されており,著作権者のコントロール可能性と分離して利用に供されることは考え難く,今後も著作権者のコントロール下に置かれることが想定されているということができ,それらを否定する的確な証拠もないことに照らせば,本件各投稿の作製に際して,映画本編の中から0.03%程度の静止画を利用することは,その方法ないし態様としてみても,社会通念上,合理的な範囲内にとどまるものというべきである。

しかも,以上の方法ないし態様であれば,映画作品を最初から最後まで一本丸ごとアップロードされた場合などとは異なり,原告らが当該映画作品を利用して経済的利益を得る機会が失われるなどということも考え難い。

以上を総合考慮すれば,被告が,本件各投稿を作製するに際して,映画本編の中から0.03%程度の静止画を利用したことは,著作物を引用して,変容目的使用である新しい考察等を行う方法ないし態様において,その目的に求められる公正な慣行に合致したものということができ,かつ,その引用の目的上でも,正当な範囲内のものであると認めるのが相当である。

そうすると,本件行為は著作権法32条1項所定の「引用」として適法なものであるということができる。

(3)アこの点に関して原告らは,被告が著作権者の許諾なく行う本件行為は公正な慣行に合致するものではないから,適法引用の要件を充たさない旨主張する。しかし,前記で認定したとおり,ユーチューブのコンテンツIDは,そもそも著作権者が負うであろう,膨大な数の許諾申請に対し明示的な許諾を返すというコストを軽減するためのシステムであり,そのシステム上で扱われる動画の一つ一つにつき,著作権者の許諾を得てアップロードするという公正な慣行が存在すると認めることはできないというべきである。したがって,原告らの上記主張は採用することができない。

イまた,原告らは,「引用」は,紹介,参照,論評等の目的で行われるものであり,自己の著作物と利用される他人の著作物との間に紹介,参照,論評等の関係がなければ,適法引用には該当しない旨主張する。しかし,前記のとおり,現行著作権法において「引用」は,報道,批評,研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われることが要件であり,「引用」として適法とされるためには,利用者が自己の著作物中で他人の著作物を利用した場合であることは要件ではないと解すべきであるところ,本件行為について,引用の目的上正当な範囲内で行われたと認められることについても前記のとおりである。したがって,原告らの上記主張は採用することができない。

3 結論

以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告らの請求には理由がないからこれらをいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。

ファスト映画裁判の予想判決文「Aパターン」

※以下は、私がイメージする判決文の「Aパターン」の一部抜粋です。以下の予想判決文は「令和3年(ワ)第15819号 発信者情報開示請求事件」の判決文を参考にさせて頂きました。

主文

1 原告らの請求をいずれも棄却する。

2 訴訟費用は,原告らの負担とする。

事実及び理由

第1 請求の趣旨

省略

第2 事案の概要

省略

第3 争点に関する当事者の主張

1 争点1-1(被告各投稿の著作物性)

(被告の主張)

(1)被告投稿1及び2及び3は、当該映画作品に対して、米国の著作権法に由来する「変容目的使用(transformative use)」により、新しい情報、新しい美学、新しい洞察、新しい理解を字幕とナレーションによって表現したものである。これは、被告という人物が有する思想と感想を創作的に表現したものであり、いずれも著作権法10条1号の文芸の範囲に属する言語の著作物に当たる。

(2)被告投稿4及び5及び6は、当該映画作品に対して、米国の著作権法に由来する「変容目的使用(transformative use)」により、新しい考察、新しい批評、新しい解釈、新しい知見を字幕とナレーションによって表現したものである。これは、被告という人物が有する思想と感想を創作的に表現したものであり、いずれも著作権法10条1号の文芸の範囲に属する言語の著作物に当たる。

2 争点1-2(引用の成否)

(被告の主張)

本件各投稿は、いずれも、公表された原告著作物を引用したものである。その引用は、YouTubeの規約やコンテンツID等の公正な慣行に合致するものであり、かつ、米国の著作権法に由来する「変容目的使用(transformative use)」、つまり、新しい情報、新しい美学、新しい洞察、新しい理解、新しい考察、新しい解釈、新しい知見を加える目的のために、当該映画作品の「0.03%」程度の正当な範囲内といえる量の素材を使用して行なわれたものである。よって、著作権法32条1項の「引用」に該当するので、本件各投稿により原告の著作権が侵害されたということはできない。

第4 当裁判所の判断

1 争点1(権利侵害の明白性)について

(1)争点1-1(被告各投稿の著作物性)について

ア 被告投稿1及び2及び3について

証拠(乙6、7)及び弁論の全趣旨によれば、被告投稿1及び2及び3は「みなさんこんにちは、ファストシネマです。今日は、~中略~、そしてこの物語の幕が閉じる」という内容であることが認められる。

上記認定事実によれば、被告投稿1及び2及び3は、約8分以内という時間制限の中、当該映画作品についての新しい考察や解釈や洞察を、口語的な言葉で文学的に表現するものであって、その構成には作者である被告の工夫が見られ、また、表現内容においても作者である被告の個性が現れているということができる。

そうすると、被告投稿1及び2及び3は、被告の思想又は感情を創作的に表現したものであり、言語の著作物(著作権法10条1号)に該当するものと認められる。

イ 被告投稿4及び5及び6について

証拠(乙8、9)及び弁論の全趣旨によれば、被告投稿4及び5及び6は「みなさんこんにちは、ファストシネマです。今日は、~中略~、そしてこの物語の幕が閉じる」という内容であることが認められる。

上記認定事実によれば、被告投稿4及び5及び6は、約10分以内という時間制限の中、当該映画作品についての新しい考察や解釈や洞察を、口語的な言葉で文学的に表現するものであって、その構成には作者である被告の工夫が見られ、また、表現内容においても作者である被告の個性が現れているということができる。

そうすると、被告投稿4及び5及び6は、被告の思想又は感情を創作的に表現したものであり、言語の著作物(著作権法10条1号)に該当するものと認められる。

オ 小括

以上によれば、被告各投稿には、いずれも著作物性が認められる。

(2)争点1-2(引用の成否)について

ア 認定事実

前記前提事実、証拠(乙6、7、8、9)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。

被告投稿1及び2及び3及び4及び5及び6は、いずれも当該映画作品の素材を0.03%程度使用した上で、8分から10分程度という短い時間で「みなさんこんにちは、ファストシネマです。今日は、~中略~、そしてこの物語の幕が閉じる」と投稿するものであり、当該映画作品についての新しい考察や解釈や洞察を、口語的な言葉で文学的に表現するものである。

イ 引用の成否について

他人の著作物は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われる場合には、これを引用して利用することができる(著作権法32条1項)。

これを本件についてみると、前記認定事実によれば、本件各投稿は、証拠(乙10)及び弁論の全趣旨によれば、ユーチューブ上で音楽、映画、ゲーム作品の素材を使用する場合、ユーチューブの規約もしくは、ユーチューブが提供するコンテンツIDにより厳格に管理される。そうすると、本件各投稿は、上記規約もしくはコンテンツIDの手順を使用した方法で当該映画作品を引用した上でユーチューブに投稿していることが認められる。そのため、本件各投稿は、上記規約を遵守していると認めるのが相当であり、本件各投稿において当該映画作品を引用して利用することが、公正な慣行に合致するものと認めることができる。

また、前記認定事実によれば、本件各投稿と当該映画作品の素材の量を比較すると、量的にも質的にも、これを引用することが、引用の目的上正当な範囲内であると認めることができる。

したがって、当該映画作品の素材を使用し、ユーチューブに投稿することは、著作権法32条1項に規定する引用の要件を充足するというべきである。

これに対し、原告は、引用に該当する可能性がない旨指摘するものの、その主張の内容は具体的には明らかではなく、本件各投稿が、上記要件に該当しないとする事実を具体的に主張立証するものではない。そうすると、原告の主張は、上記判断を左右するものとはいえない。したがって、原告の主張は、採用することができない。

ウ 以上によれば、本件各投稿は、著作権32条1項により適法となるものといえる。

(3)その他

当事者双方提出に係る証拠及び弁論の全趣旨によっても、本件各投稿に違法性が存在することをうかがわせる事情を認めることはできない。

その他に、原告提出に係る準備書面及び証拠を改めて検討しても、原告の主張は、前記判断を左右するものとはいえない。したがって、原告の主張は、いずれも採用することができない。

2 結論

よって、被告の本件各投稿は、著作権32条1項により適法となるものとして、主文のとおり判決する。

最高裁における弁護士の活動で気になった点

(1)一審、二審で憲法違反や判例違反等の主張はしていないのに、上告理由書・上告受理申立理由書で憲法違反や最高裁判例違反の主張をすること。憲法問題等の紛争問題であれば、一審から主張すべきである。

(2)刑事と民事で事実の条文の規定の仕方が異なることを見逃している(民事の場合は事実を争うことは後述⑦⑧の理由から、認められない。刑事事件では、刑訴法411条に基づき、上告理由がない場合にも職権で事実や量刑がとりあげられることがあり、民事事件とは扱いが異なる)。

(3)民事訴訟において証拠を新たに提出する(民事では事実認定をしないので上告審で新証拠を取り調べることはない)。

(4)法的見解に関し、著名な学者の意見書として提出されるケースがあるが、控訴審までに提出するのが適当(事実の評価意見であれば事実審まで、法律解釈の意見も効果的な活用という観点からは法律審に至るまでの間が望ましい)。

(5)上告理由書と上告受理申立理由書について、1個にまとめる、あるいはどちらかを引用する、コピペで文言だけを変えるという方法の理由書を見かけるが、この2つの理由は条文上異なるもので、同じ主張であるはずはない。

(6)上告理由に控訴理由書を引用している書面があるが、昭和20年代の最高裁大法廷判例*16で控訴理由書の引用は、許されない。「控訴理由書記載の通り」という書き方をした場合、控訴理由書引用部分は、上告理由を提出していないという扱いをされる。

(9)「判例違反」の判例を広く捉えすぎているケースが多い(最高裁が考える判例というのは、事案の概要がまったく同じである、それなのに、判決の結果が違うという場合にしか判例違反と言わない)。

(10)手続に問題のある訴訟が少なくない。訴訟手続の間違いは、憲法違反なので必ず上告理由になる。これを見つけるためには1回ごとの期日調書を取ることが大事になる。

─ 最高裁の判事から見た弁護士の活動で、よい印象が残ったことや書面があったらお聞かせください。

個人名は申し上げられませんけれども、知的財産に特化している事務所の弁護士さんが書かれた書面は素晴らしくよくできていると思いました。要するに争点がはっきりしていて、争点に絞って正確に主張・立証されています。また、大法廷で違憲、違法を勝ち取るような弁護士さんはやっぱりいい書面をお書きになっていらっしゃいますね。理由書に説得力があると、心を動かされまして悩んでしまいますね。でもそう多くはない……。

─ 弁護士の力量にもかなり影響されることがあるということなのでしょうか。

上告審だけで申し上げれば、そんなに影響は受けないと思います。ともかく上告理由に当たることを書かれていらっしゃれば、上手、下手、書面の量の大小を問わず取り上げるという責任感、要するに最終審だと思っている責任感は全員共通に持っていますから、力量にそれほど影響されることはないのですが、一番大きいのは一審からずっと担当していらしていて、一審のときから争点を勘違いされていて、あるいは意識していらっしゃらないで二審の判決を得ている。そちらが問題だと思っています。上告審ではその弁護士の間違いを指摘することはありませんから、当事者本人は勝てるかもしれなかった訴訟に敗訴することになります。そのようなケースが数少なくないというのは、弁護士の力量問題でしょう。一番困った代理人と思ったのは、だいたい訴訟物すら間違えている。だからもう初めから勝負がついているという感じでした。

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