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【0.03%理論】写真の「0.03%」を使用して、その写真を批評することは違法か?

みなさんに質問です。

「写真の《0.03%》を使用して、その写真を批評することは違法だと思いますか?」

例えば、HDサイズの画像(1920x1080pixel)の0.03%は「50×40pixel」の半分以下というメッチャ小さな画像です。下の画像をクリックして見て頂ければ一目瞭然ですが、もう何の一部なのか分からないレベルです。あともう少し小さければ、素粒子とかニュートリノと変わりません。

つまり私が言いたいのは、ファスト映画も同じだということです。

仮に静止画のみを使用したファスト映画の場合を考えてみます。

通常、2時間の長編映画は「約20万枚」の静止画で構成されています。6秒に1枚の静止画を使った10分のファスト映画の静止画の数は「100枚」であり、それは20万枚の「0.05%」です。

さらに映画の音楽や役者のセリフやナレーションなどを全く使用してない分を考慮すると「0.03%」程度になります。

ファスト映画は、映画作品の「0.03%」程度だけを使い、その作品に対する批評を行っているに過ぎません。

どうでしょう、そう考えると「6秒に1枚の静止画を使った10分のファスト映画」での画像の使用は「引用の正当な範囲内」であるような気がしませんか?

かつて、というか割と最近まで「明瞭区別性と主従関係性」の2つを満たすことが、引用の正当な範囲内であるという「2要件説」が存在しました。もし裁判官がその説を適用した場合、上記の私の主張は認められない可能性があります。

この「2要件説」ですが、明治32年公布の旧著作権法から導かれた要件であり、現著作権法の条文との結びつきが不明瞭であるため、昔から強い批判を浴びてきました。にも関わらず、現行の著作権法の下でも、この説に基づいた裁判例が最近まで支配的だったのです。ちょっと驚きですよね。

しかし最近の裁判例は、この「2要件説」から脱却する動きを強めています。

そのきっかけとなったのが、2010年の「美術品鑑定証書引用事件」です。この時に裁判所は、米国のフェアユースに似ている「総合考慮説」という考え方を提示しました。この判決が出て以降、裁判例はもはや「2要件説」に依拠してません。これ以降の裁判例で「2要件説」に依拠したものはないのです。

「東京地判平成26年5月30日・平成22年(ワ)第27449号」 「東京地判平成25年12月20日・平成24年(ワ)第268号」 「大阪地判平成25年7月16日・平成24年(ワ)第10890号」 「東京地判平成24年9月28日・平成23年(ワ)第9722号」 「東京地判平成23年2月9日・平成21年(ワ)第25767号」

この「総合考慮説」であれば、私の《0.03%理論》が「引用の正当な範囲内である」と認められる可能性は高いと思います。

ということで、次回はこの「総合考慮説」について詳しく考察していきたいと思います。

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