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毎日オークションカタログ事件

判決文●●●●●●●●

【被告の主張】著作権法32条1項は,「報道,批評,研究その他の引用の目的上正当な範囲内」での引用を認めている。したがって,正当な範囲内と認められる引用の目的は,報道,批評,研究に限られるものではない。~中略~、このように,オークションカタログへの掲載は,オークションによって贋作が取り引きされることを防止し,絵画を適正な値段によって取引し,ひいては,取引の対象となる絵画の著作物の価値を高めることはもちろん,当該著作物だけでなく当該著作者の一連の作品の価値を高めることにもなり,著作者の地位の向上,美術品取引市場の活性化による美術文化の発展にも資する。したがって,本件カタログに,オークションの対象となる絵画を表示することは,著作権法の定める引用の目的として正当と認められる。

【被告の主張】美術品の所有者に所有権の自由な処分が認められているにもかかわらず,オークションカタログへの複製を著作者の許諾にかからしめることによって,著作権者がオークションを妨げることができるとすれば,絵画所有者は,絵画に投下した資本を回収することができず,著作者ないし著作権者の意向によって絵画取引を萎縮させることになり,文化の発展に寄与するどころか,後退させることになる。したがって,オークションカタログへの複製は,著作権者の利益となることはあっても,経済的損失をもたらすものではなく,所有権の譲渡のための取引に求められる公正な慣行に合致したものということができ,かつ,その引用の目的上でも,正当な範囲内のものであるということができる。

【被告の主張】引用の要件の一つと主張される主従関係についていえば,~中略~、また,絵画と被告の記載部分とは明瞭に区別することができる。したがって,主従関係と明瞭区別性という要件に照らしても,本件カタログへの複製は引用として認められる。

【被告の主張】絵画等の譲渡等は著作権侵害でないにもかかわらず画像掲載に関する著作権の問題を理由に事実上譲渡等が困難となるのは適当ではない。したがって,47条の2新設前においても,画像掲載に対して著作権侵害であると主張して,事実上絵画等の譲渡を困難ならしめることは,絵画の処分権を有する者に対する,適法な権利行使の名を借りた著作権の濫用である。以上のとおり,本件訴訟における原告の著作権の行使は,著作権法改正前にオークションのために行われた複製について,法律が明確でなかったことを幸いとして,譲渡に伴う美術の著作物の複製が法律上合法であると確認された今に至って損害賠償を請求するもので,47条の2が新設された趣旨からすると,著作権の濫用に該当する。

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